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遠赤外線の特徴とは?
遠赤外線加熱に向いている物質を解説

2021.11.12

「遠赤外線」という言葉は誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
遠赤外線は目には見えませんが、物質を温めることができるという特徴があります。
暖房器具や石焼き芋を想像してもらえれば、分かりやすいかもしれません。

しかし、一方で金属や空気は遠赤外線では加熱することができません。一体なぜでしょうか?
本記事では、遠赤外線の特徴を分かりやすく解説し、加熱に向いている物質を紹介します。
遠赤外線加熱を検討する際の参考にしてください。

遠赤外線とは

出典:非営利・一般社団法人 遠赤外線協会


遠赤外線は、「赤外線の一種」であり、目で見ることができない電磁波です。
赤外線は波長により遠赤外線近赤外線に分けられます。
波長が3μm~1mmの赤外線が遠赤外線です。
遠赤外線ヒータは数百℃~600℃程度のものが多く、目に見える光はあまり発せられないことが特徴だと言えます。

一方、波長域が0.78μm~3μmなのが近赤外線です。
近赤外線のヒータはフィラメント温度が2,000℃に迫る高温のものもあり、光を伴うという特徴があります。

ちなみに工業用途でよく使用されているのは2.5μm~30μmの赤外線です。 まさに遠赤外線の領域であり、遠赤外線ヒータが工業用途で多く使われている理由だと言えるでしょう。

遠赤外線の特徴

出典:非営利・一般社団法人 遠赤外線協会


遠赤外線は対象物を分子振動させることにより、熱を与える効果をもっています。
これが「遠赤外線加熱」です。

遠赤外線加熱に向いている物質

遠赤外線加熱では、金属と空気を除く多くの物質を分子振動により発熱させることができます。
遠赤外線加熱に向いている物質の一例を確認してみましょう。

<遠赤外線加熱に向いている物質の例>
● プラスチック
● ゴム
●  塗料
●  樹脂
●  食品

これらの物質は遠赤外線を良く吸収するため、遠赤外線ヒータで効率よく加熱することが可能です。
工業用途では塗装乾燥接着剤の硬化などで使用されています。

特に樹脂は遠赤外線と非常に相性の良い物質です。
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂など様々な種類の樹脂がありますが、いずれも遠赤外線ヒータとの相性が良く、効率良く加熱することができるでしょう。

遠赤外線ヒータを活用した納入事例はこちら

 

遠赤外線加熱に不向きな物質

一方で遠赤外線加熱に不向きな物質も存在します。
遠赤外線は多くの物質を加熱することができますが、以下の物質は加熱するのに不向きですので、覚えておきましょう。

 

<遠赤外線加熱に不向きな物質>

● 空気

● 金属(表面処理状態による)


遠赤外線は空気を透過してしまうため、基本的に加熱することができません。
空間を加熱するには、熱風加熱を利用します。
家庭用のエアコンを想像すると分かりやすいかもしれません。

無垢の金属も遠赤外線を反射してしまう
ので、遠赤外線加熱には不向きです。
但し、塗装など表面処理の状態によっては加熱することもできます。

 

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TPR商事では、長年遠赤外線ヒータや加熱炉、乾燥炉を販売しています。
ヒータ単品はもちろんのこと、お客様のニーズに合わせてオーダーメイドで設計する特注品まで幅広く対応することが可能です。

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